概説
足底から頭頂まで亀の甲羅のように身体後面全体をつなぎ保護している。
SBLは足から膝までと、膝から頭部(眉)までの2つの部分からなる。
起立時のように膝が伸びると、SBLは筋筋膜が統合された1本の連続ラインとして機能する。
特徴
- 下肢(膝関節伸展位と屈曲位で変化)の連結
- 一次湾曲と二次湾曲のバランス
- 姿勢維持(主に抗重力筋:遅筋)
- 目と後頭下筋と脊柱起立筋の関係
姿勢機能
全体的姿勢機能は、身体を直立伸展した状態に保ち、体前屈位のように屈曲する傾向を防ぐことである。
この姿勢状態を1日中続けるには、SBLの筋筋膜帯の筋部分において緩徐に収縮する持続性筋線維(遅筋)の割合が高くなくてはならない。
伸展位姿勢を保つには筋膜部やアキレス腱、ハムストリング、仙結節靭帯、胸腰筋膜、脊柱起立筋の「ケーブル」と、後頭骨稜における強靭なシートとバンドが必要である。
SBL伸展機能の例外は膝で発生する。膝はほかの関節と異なり、SBLの筋により後方へ屈曲する。
立位でSBLと連動する腱が十字靭帯を補助し、脛骨と大腿骨間のアライメントを維持する。
運動機能
膝関節の屈曲を例外として、SBLの全体的運動機能は、伸展と過伸展を発生させることである。
ヒトの発達において、乳児は、SBL筋によって頭が体前屈位から持ち上げられ、発達の進行に伴い目を使って「経験を広げながら」、身体の各部は下に向かって、すなわち、腹部、臀部、膝部、足部の順に、SBLに支えられるようになる。これは乳児が各発達区分で安定性を獲得し、生後約1年で直立する様子からわかる。
ヒトは極めて内向きの屈曲姿勢で生まれてくることから、SBLの強度、反応能、バランスの発達は、初期の屈曲から完全で容易に伸展が維持される状態まで移行する緩やかな成熟の波と密接に結びつきます。
頭部
脊柱起立筋が背中を走ることで、筋膜のつながりは仙骨から頭皮筋膜(眼窩上隆起)まで一直線に走る。
背中が丸くなり脊柱起立筋が引っ張られるとその張力が頭部を通じて前頭筋付着部を釣り上げる
腰背部
仙結節靭帯の上端では脊柱起立筋と下端では大腿二頭筋と連結している。
起立姿勢において仙骨と坐骨を結ぶ仙結節靭帯が重要な役割を担う。
下肢
ハムストリングの停止と腓腹筋の起始は強い疎性結合組織によって連結している。
そのため、膝伸展位時には強い関連がある。
アキレス腱は深部・中間層・浅層の3つの層からなる筋筋膜構造体であり、踵骨および周囲の筋膜介して足底の筋膜構造帯に接続している。
遠位の趾骨底面から足底を走る。
短趾屈筋は5本のバンドに連結し、1本の筋膜となり踵骨に付着する。
縦方向の足底アーチを維持している。
湾曲バランス
1次湾曲:周囲の骨の形状から維持される後ろへの凸
2次湾曲:筋肉により維持される前への凸
頭頂部から足部まで1次湾曲と2次湾曲が交互に連続している。
この2つの湾曲にSBLが影響を与えてる。