リハビリテーション

ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL)

 

概説

上肢から体幹表面を通って反対側の骨盤と下肢まで達するアームラインの延長である(筋筋膜経線は上下いずれの方向にも走行し、下肢から骨盤まで上行し、反対側の胸郭、肩、腕まで続く).

3本のFLのうち1本は身体前面(FFL)、2本目は身体後面(BFL)を走り、左右の交叉するラインで体幹前後の「X字」を形成する。

3本目のラインである同側Ipsilateral Functional Line(IFL)もこのFLグループに含まれ、一側の肩から同側の膝内側まで走る。

FLは他のラインと異なり、立位姿勢の調節にはほとんど関与しないことからFunctional(機能的)ラインと呼ぼれる。

FLは、主に運動やスポーツ、そのほかの活動時に機能し、四肢の複合体を安定化してバランスを保つ

あるいは反対側との相互作用によって強化される

 

特徴

ポイント

上肢を機能的に動かす

機能し合う3つのライン

同側のライン

 

姿勢機能

他のラインほど立位姿勢に関与することはない

一般的に日常生活で使用されることが多い浅層筋が含まれる。

この浅層筋は、姿勢を維持するために硬化したり、筋膜的に短縮したりする機会が最も少ない筋である。

FLが姿勢全体を歪める場合には、体幹前面または後面のいずれかを通り、一側の肩を反対側の股関節に近づける。

特に体幹前面における接近パターンがよくみられるがSPL、DFLに起因するものが多い。他の筋膜構造のバランスが保たれれば、FLは多くの場合正しい位置に収まり、それ自体も大きな問題は示さない。

 

運動機能

一側上肢が体幹の前後面を通って反対側の下肢と接続し、ライン上の梃子となる上肢を伸ばすことで、螺旋パターンとして機能ができるため、相互作用により四肢の動きにパワーと正確性を与える。

螺旋状に走行があるため、SPLに対する四肢の補助ラインであり、アームラインの体幹での延長とみなし(機能的連結)回旋運動を伝えることができる

実施の活動ではこのラインは絶えず変化し、正確的の観点では、力の広がりにおける中心モーメントの総和として機能する。

 

 

バック・ファンクショナル・ライン

 

広背筋の遠位付着部に起始する。

しかし、特定の行動に応じてSFAL、またはDBALと接続する。

大腿筋下部線維は、腸脛靭帯後側縁でLLの深部を通って大腿骨体を約1/3下行し、大腿骨の後外側端に付着する。

同じ方向に進むと大殿筋と外側広筋を連結する筋膜線維が見つかる。

前脛骨筋と前下腿筋膜によってBFLを内側縦アーチまで下ることはできるが、SFLの連結であるためアナトミートレインのルールでは許可されない

 

 

フロント・ファンクショナル・ライン

 

上腕骨上部と大胸筋遠位付着部で起始し、第5肋骨と第6肋骨上の大胸筋起始部まで大胸筋下部線維に沿って走る。

小胸筋を腹部鎖骨胸筋筋膜も第5肋骨に接続し、FFLはSFALとDFAL両方の伸張作用を有する。

腹直筋の外側縁(外腹斜筋内側縁)に沿って恥骨まで進み半月線を通って反対側に達し、長内転筋腱に沿って下行し、大腿後面で粗線に付着する。

大腿骨粗線から大腿二頭筋短頭へとSPLと被ることができるが、アナトミートレインのルールでは許可されない。

しかし、外腹斜筋を介して対側の内腹斜筋へ の連結でSPLと機能的に交わる

 

 

同側ファンクショナル・ライン

 

起始筋である広背筋の最外側線維をたどっていくと、外腹斜筋の後部線維との強力な筋膜接続によって、下部肋骨3本の外側部に付着している。

外腹斜筋から上前腸骨棘に達したのち、上前腸骨棘を超えて縫工筋と筋膜的に接続する。

縫工筋は脛骨内側顆の鵞足まで下行し停止する。

また、外腹斜筋を介してLLと機能的に交わる

 

まとめ

骨盤帯を基点として、三つのFLが機能的に連結している。

腹数のライン接続が全身への連続的な力の発揮を可能としている。

大きな動きや筋力を発揮する場面で使用されるライン。

このことから、損傷が重度になりやすい。

投動作・走動作・跳躍動作などのスポーツ活動や、土木・運送などの重労働な仕事における筋力の発揮から、このラインに加わる負担を考察し、見ていくことが必要がある。

 

 

 

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