構成要素
- 舌骨上筋
- 舌骨下筋
- 頭長筋
- 頸長筋
- 斜角筋
- 胸内筋膜
- 横隔膜
- 大腰筋
- 小腰筋
- 腸骨筋
- 恥骨筋
- 腰方形筋
- 大内転筋
- 長内転筋
- 短内転筋
- 膝窩筋
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
特徴
体幹を通るラインに囲まれています。
SFL・SBL・LL・SPL・FLに囲まれています。(この5つが気になった方リンクから飛んでください。)
すべてのラインの中で最も高密度な筋膜で遅発性および持続型の筋線維です。
また,線ではなく3次元構造を造り,身体筋膜構造の中心コアを形成しています。
筋肉は大きな収縮は行わないが、身体内部の固定や姿勢維持が主な役割となる。
横隔膜ー腰方形筋ー腸腰筋の連動によって呼吸のリズムを歩くリズ
自立神経節とのつながりが深く,交感神経ー副交感神経のバランスと
姿勢機能
- 内側縦アーチを引き上げる
後脛骨筋
- 下肢の各区分を安定させる
内転筋群ー膝窩筋ー後脛骨筋・長趾屈筋
- 腰椎を前方から支える
大腰筋・小腰筋・腸骨筋
- 胸部を安定させ呼吸リズムを整える
椎前筋群・斜角筋群・胸膜・横隔膜
- 脆弱な頸部とその上の頭部を支える
舌骨上筋・舌骨下筋・椎前筋群・斜角筋群
DFLは4種類に分かれる
- 最後部
- 前後部
- 中部:横隔膜から後方に続くライン
- 前部:横隔膜から前方に進むライン
後部と中部・前部に分けてまとめていきます。
まずはじめに最後・前後部の経路から見ていきます。その後ポイントをまとめていきます
最後部ライン 経路
- 後頭骨基底部
- 頭長筋
- 頸長筋
- 前仙骨筋膜
- 前縦靱帯
- 胸腰椎椎体
- 尾骨
- 骨盤隔膜筋膜
- 肛門挙筋
- 内閉鎖筋筋膜
- 坐骨枝
- 後筋間中隔
- 大内転筋
- 小内転筋
- 大腿骨内側上顆
- 膝窩筋
- 膝関節包
- 脛骨、腓骨の上後部
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 底側足根骨
- 足趾底面
前後部ライン 経路
- 後頭骨基底部
- 頸長筋
- 頭長筋
- 前仙骨筋膜
- 前縦靭帯
- 胸腰椎椎体
- 大腰筋
- 腸骨筋
- 恥骨筋
- 腰方形筋
- 大腿三角
- 前大腿筋間中隔
- 長内転筋
- 短内転筋
- 大腿骨粗線
- 大腿骨内側上顆
- 膝窩筋
- 膝関節包
- 脛骨、腓骨の上後部
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 底側足根骨
- 足趾底面
後部ラインの特徴
姿勢制御
スーパーフィシャルバックライン(SBL)とスーパーフィシャルフロントライン(SFL)の中心を貫くことで前後の協調や修正を図ります。
SFLの胸鎖乳突筋とSBLの後頭下筋・脊柱起立筋は上位頚椎の過伸展に関与している。その拮抗筋はDFLの頸長筋・頭長筋のみです。
頚椎疾患におけるアライメント変化はDFLの評価をすることが重要です。
下肢アライメントの評価
O脚(足部回外,内返し及び膝関節内反)
⇒DFLが短縮・LLが過伸展過緊張
X脚(足部回内かつ外返し及び膝関節外反)
⇒DFLが伸展・LLが短縮
下肢の連結
長母指屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋ー膝窩筋ー内転筋群
最後部ライン:筋間中隔を境に大内転筋を通って後ろに行くライン
前後部ライン:筋間中隔を境に長内転筋を通って前に行くライン
大腿四頭筋(内側広筋)と内転筋群の筋膜(結合組織)によって隔てられている箇所のことであり癒着しやすいく滑走性低下をきたしやすいポイントです。
複数の筋の分離した動きが困難になりやすく,筋出力・可動域制限の低下にもつながる。
骨盤底への連結:最後部ライン
大内転筋ー内閉鎖筋ー骨盤底の連結
坐骨結節を介して内閉鎖筋とつながり骨盤底筋群(肛門挙筋)へと連結しています。
骨盤底筋群は高齢者の尿漏れ、失禁、若年層での生理痛に関与がみられます。
ウーマンズヘルスケアでの骨盤底筋群。
股関節の機能不全が骨盤底筋群の機能不全に深く関係しています。
体幹の連結:前後部ライン
長内転筋・短内転筋・恥骨筋ー腸腰筋ー腰方形筋
最重要ポイント:この連結は大腰筋が身体の中心に存在しているため
大腰筋は体幹・股関節の安定性、筋出力の発揮、円滑な可動性のために必要不可欠な存在です。
人が動く際に体幹・股関節がしっかりとした安定性を持っているからこそ
上肢・下肢の動きが伴ってくるのでここの機能なしに末梢の能力は発揮できない
首・肩・腰・股関節・膝・足部のあらゆる障害に関わってくる
次は中部・前部についてまとめていきます。
中部ライン 経路:横隔膜から後方に続く
- 頸椎横突起
- 後頭骨基底部
- 椎前筋膜
- 咽頭縫線
- 斜角筋
- 内側斜角筋筋膜
- 心膜
- 縦隔
- 壁側胸膜
- 横隔膜後部
- 横隔膜脚
- 腱中心
- 腸腰筋
- 恥骨筋
- 腰方形筋
- 前筋間中隔
- 長内転筋
- 短内転筋
- 大腿骨粗線
- 大腿骨内側上顆
- 膝窩筋
- 膝関節包
- 脛骨、腓骨の上後部
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 底側足根骨
- 足趾底面
前部ライン 経路:横隔膜から前方に進む
- 下顎骨
- 舌骨上筋
- 舌骨
- 舌骨下筋
- 気管前筋膜
- 胸骨柄に後側
- 胸内筋膜
- 胸横筋
- 剣状突起
- 肋骨下後面
- 軟骨組織
- 横隔膜前部
- 横隔膜後部
- 横隔膜脚
- 腱中心
- 胸腰椎椎体
- 腸腰筋
- 恥骨筋
- 腰方形筋
- 大腿骨小転子
- 長内転筋
- 短内転筋
- 大腿骨内側上顆
- 膝窩筋
- 膝関節包
- 脛骨、腓骨の上後部
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 底側足根骨
- 足趾底面
中部・前部ラインの特徴
中部ライン上部の体幹部
横隔膜ー胸膜・心膜・縦隔ー斜角筋ー咽頭収縮筋ー舌
ディープ・フロントアーム・ライン(DFAL)とのつながりもある。
横隔膜の機能低下は肺炎などの呼吸器障害が少なからずを招いています。
誤嚥性肺炎は舌の可動性を悪くする可能性があります。
脳卒中などで嚥下障害を持つ方は,舌から横隔膜や大腰筋に影響が生じ,呼吸機能低下や体幹部のコントロール機能が低下こともあります。
前部ライン上部と体幹部
横隔膜の前方ー胸横筋ー舌骨下筋群ー内側翼突筋・咬筋・側頭筋
顎の動きや咀嚼との関連するため,顎関節症や嚥下機能への患者にアプローチできるポイントです。
バンザイや咳き込み,深呼吸時の胸部(胸骨部)の痛みに対しても胸横筋と関連しているのでアプローチできます。
重要な連結部
- 体幹部
横隔膜ー大腰筋ー腰方形筋
体幹部の中心を構成する要素であるため呼吸と歩行において強い関連がある
- 心膜・胸膜・心膜
腹膜の歪みが横隔膜の機能不全につながる
横隔膜の機能不全が腹膜を介して大腸や小腸の機能不全
胸膜を介して肺の機能不全をもたらすことが考えられる
内科系の疾患や合併症や既往がある方はDFL上に問題があるかもしれない…
補足:内臓・頭蓋とのつながり
内臓との関連
内臓は左右非対称に配置されており、絶妙なバランスで配置や重心の位置を保っている。そのため姿勢アライメント、動作のパフォーマンスに影響が出る。
内臓の機能不全が起こると筋膜を伝って筋・筋膜に影響が出たり、逆もあり得る。
頭蓋とのつながり
DFLの上端では頭蓋骨の一部である蝶形骨とのつながり,蝶形骨と後頭骨で蝶形後頭結合を形成している
頭蓋仙骨リズムと深く関わる(未だに解明されていないが東洋医学ではあるとされています。髄液などの流れに関係しているなど言われています。)
脊柱の可動性にも関わり歩行や各種動作にも深い関連がある。