今回はファシア(筋膜)についてまとめ行こうと思います。
Twitterでも少し話していましたが先月の7月に医院内でファシアと筋膜とアナトミートレインについての勉強会をする機会がありました。
筋膜をアナトミートレインという概念を用いて治療に応用していくところの足がかりになれたらなと思い、概念だけでなく「見立て」「考察」のところまで解説しました。
いろいろディスカッションしながら行っていくつもりでしたが、なかなかそういうのを促しながら、主とする筋膜的アプローチを行っていくつもりでしたが、そんなうまくいかないですね。。。
さてそれでは、本題に入りたいと思います。
はじめに
この間、TV「美と若さの新常識」でファシアのことについて取り上げていました。
僕が行うリリースの対象がファシアであり、最近では筋膜だけにとらわれず内臓周囲のところまで調整するようになりましたので、ちょうどそれがファシアでありタイミングが良かったのでまとめていきたいと思います。
Fascia(ファシア)の定義
Fasciaの定義は国際的にも議論中です。
1つは
「筋膜Myofasciaに加えて腱、靱帯、脂肪、胸膜、心膜など内臓を包む膜など骨格筋と無関係な部位の結合組織を含む概念であり、その線維配列と密度から整理される。」
もう1つは
「鞘、シート、あるいは剖出可能な結合組織の集合体で、裸眼で肉眼的に確認可能な程の大きさがある。そして、fasciaは皮膚と筋の間、筋周囲、末梢神経と血管をつなぐ、それら関連構造をも含む。」
現在、上記2種類のFasciaの定義を融合させるための議論が進んでいますが、統一見解には至っておりません。
また、Fasciaの適切な日本語訳は現時点ではありません。
そのため、英語で「fascia」あるいはカタカナで「ファシア」と表現しています。
本邦ではFasciaは「筋膜」、時に「膜」と訳されてきた経緯があります。
一方、Fasciaの意味で「筋膜」と表現されている場合もあります。
医学用語としては、筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」です。
日本解剖学会の解剖学用語改訂13版には、Fasciaは筋膜Myofasciaを超えたものと説明されており、整形外科学会の整形外科学用語集(第8版)では「筋膜、あるいは腱膜」という言葉があてられています。
建設的な議論を進めていくためにも、言葉の定義を厳密に確認することが極めて重要になります。
これまで靱帯の隙間を埋めるだけと思われていた層が、全身に広がる最大の器官であると指摘した論文が2年前に、科学界を騒がせました。
https://www.nature.com/articles/s41598-018-23062-6
表面をつまんで引っ張ると、網の目状の立体構造が現れます。これがファシアの特徴。
筋に連なる腱が動くと、その上にあるファシアが変形することで、腱のスムーズな動きが生み出されます。
同時に、皮膚や脂肪、腱など、上下の組織の安定も保つのが、ファシアの重要な働きです。
このファシアは、筋肉を包むものは「筋膜」として知られていました。
しかし実は筋肉だけでなく、臓器、骨、血管など、それぞれのパーツも同じように包んでいるのです。
さらに、それぞれが連携し巨大なネットワークを作っている可能性が浮かび上がってきたのです。
ファシアは、筋膜というところから注目を受けていましたが、もしかしたら、全身を包むただの保護膜ではなく、全身の情報ネットワークとしてブロックチェーンのような役割ではないかと注目されています。
ファシアの方は、内臓や脳にもあるので、幅広い概念です。
筋膜は、その中のうちの筋肉を覆っている膜ということで狭い範囲になります。
ファシアの構造
ファシアは網の目構造をしていて、組織と組織が動く時に、網の目が伸びたり縮んだりするんです。
伸びっぱなしだと、組織同士が動いてしまって位置関係が保てないです。
元に戻ろうとすることによって、体の中の臓器は同じ位置を保っています。
網の目で動きをコントロールしているといってもいいと思います。
ここまでがテレビでやってたことです。ここで終わっては医療従事者としては恥ずかしい。
言い過ぎかもしれませんが、、、
ここから詳細に入っていきます。
医療従事者のためのさらなる詳細
ここからは僕が医院内勉強会で使ったkeynoteも交えながら説明していこうと思います。
アナトミートレインについてはこちらへアナトミートレイン(筋筋膜経線)