DFALでの続きになりついになる筋膜ラインであるため、よければご覧になってから下記を読んでいただければ幸いです。
また今回はSFALとDFALの伸張テストについてもまとめました。ので評価の一助になるかと思いますのよろしくおねがいします。
構成要素
- 鎖骨の内側3分の1
- 肋軟骨
- 胸腰筋膜
- 大胸筋
- 広背筋
- 上腕骨内側縁
- 内側筋間中隔
- 上腕内側上顆
- 手根屈筋群
- 指の掌側面
はじまりSFAL
SFALは肩のDFALの浅層にあり、SFALに含まれる各筋の幅広い付着部から始まる。
ライン前面は、鎖骨下から肋骨中部までの幅広い付着部をもつ大胸筋から始まる。
広背筋は、下部胸椎の棘突起、腰仙筋膜、腸骨稜、下部、の外肋骨から上方に広がる。
SFALは大腰筋と広背筋との間にほぼ完全な円形の付着部をもち、SFALが身体前面と側面での腕の動きを幅広く制御していることが示される。
腱バンド
広背筋は肩甲骨の外側縁から大円筋を統合し、大胸筋を含めた3つの筋は捻転して、上腕骨の近位前部に並んで付着し腱のバンドを構成する。
この腱バンドは、上腕の屈筋群と伸筋群との間の筋膜である。
内側筋間中隔を介して接続し、次の駅である上腕内側上顆まで走る。
手指の屈筋は通常と異なる
手根と手指の屈筋腱は上腕骨内側上顆から下行し、前腕腹側の多層の縦走筋と接続する。
これらの前腕腹側にある縦走筋は手根骨まで下行し、浅指屈筋は指の中央部、深指屈筋は指先まで走る。
これは、深層筋は短いという通常パターンを破っていることに注目すべきである。
この指までの筋は屈筋支帯の深層で手根管を通って走り、腹側手根および指の掌側へ広がる。
上肢の位置を制御
SFALは身体前面と側面で広範囲に動く上肢の位置を制御する。
大きな筋である大胸筋と広背筋は、水泳のストロークやテニスのスマッシュ、あるいはクリケットの投球など、肩関節の内転と伸展の大きな動きを起こさせる。
SFALは手根と手指を制御し、DFALとともに握力に関連する。
SFALとDFALの伸張評価
SFALとDFALの違いを確認するには、治療ベッド、または硬いベッド端に背臥位となり、手掌を上に向けて肩を外転させ、治療ベッドの縁から上肢を下垂する。
これはSFALの伸張であり、大胸筋やSFALに沿った部位のどこが伸びているのかを感じる。 手根と手指の過伸展によりより伸張が強化する。
DFALの伸張に切り替えるには、上肢を治療ベッドから下垂すると同時に、後ろにある紙を掴むように母指を伸ばすように、肩を内旋させて母指を上に向けて残りの指に沿って肩から遠くにまで伸ばす。
小胸筋に達するまでのDFALのどこかで、このラインが上方に伸びるのが感じられる。
立位では、モデルの手首を握ってモデルの後ろに立つ。 スワンダイブ(姿勢改善エクササイズ)を開始するようにモデルを足関節から前傾させ、セラピスト自身は体重でバランスを取る。 モデルには前方に倒れても確実に支えることを伝える。
この状態で、モデルはSFALとDFALの両方から吊られて両ラインのように傾いている。
続いて、モデルに上腕骨を外旋させ(母指を立てる)。
モデルの手根をつかんで前傾させ、モデルに伸びている場所を言ってもらう。
モデルは、大胸筋から手の屈筋を通して、SFALが伸びていると感じられる場所を告げる。
この方法により、ライン組織が短縮している箇所、あるいは問題のある部位がわかりやすくなる。
次いで、モデルに上腕骨を内旋させ(母指を下げる)。
再度モデルの手根を掴んで前傾させる。
今度は、上腕二頭筋と母指を通して小胸筋まで、DFALのどこかに問題があると思われ、手技を行うべき場所がわかる。
ヒトの上肢の使われ方は様々であり、この2つのラインに関して述べてもらう場合には、包括的な漠然とした発言はしないという条件をつける。
この条件は交叉筋が多数あることに起因する。
その他のライン
・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)
・外側線:ラテラルライン(LL)
・ラセン線:スパイラルライン(SPL)
・機能線:ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL)
・深前線:ディープフロントライン(DFL)
・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)
・深前腕線:ディープ フロントアームライン(DFAL)
・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)
・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)