ここからはアームラインを個別に解説していきます。
構成要素
- 第3・4・5・肋骨
- 小胸筋
- 鎖骨胸筋筋膜
- 烏口突起
- 上腕二頭筋
- 橈骨粗面
- 橈骨骨膜
- 橈骨茎状突起
- 外側側副靱帯
- 母指球筋
- 舟状骨
- 菱形骨
- 母指外側
ディープ・フロントアーム・ラインのはじまり
小胸筋の起始(第3・4・5肋骨の前側部)から始まりますが、小胸筋は鎖骨胸筋筋膜の深部にあります。 鎖骨胸筋筋膜は鎖骨から腋窩までの大胸筋の深部を走り、小胸筋と鎖骨下筋の両方を含み、この領域で神経血管束とリンパ組織と接続します。 大胸筋と同程度の大きさの鎖骨胸筋筋膜は、DFALの最初の路線を構成する。 小胸筋は重要な収縮性構造で複合体の肩甲骨を支え、さらに小さな鎖骨下筋が鎖骨を係留する。
レール通ってる!?
小胸筋の遠位駅は烏口突起である。これは、鎖骨の深層で前方に突出する「カラスのくちばし」のような肩甲骨の小突起である。ここから上腕二頭筋短頭と烏口腕筋が起始して上肢まで行く。小胸筋に対して遠位の上腕二頭筋短頭と烏口腕筋との間には明確な筋膜の連続体があるが、この接続は烏口突起で小胸筋から急に方向転換し、アナトミートレイン・ルールに当てはめると、少なくともリラックスした立位姿勢では、接続していないように思われる。 しかし、上肢を水平以上に挙げる動作、ぶら下がり姿勢などでは、この筋膜単位は繋がり、1本の接続したラインとなる。
DFALの役割
母指から胸部前面までを安定させるラインである(下肢のDFLと比較)。 四肢動物では、ラグビーのスクラムやヨガの「プランク」のポーズでも、DFALは上半身の左右運動を操作(制限または許可)する。開放連鎖運動時の自由上肢では、DFALは主に母指を通して手の角度と握力を制御する。
その他のライン
・浅後線:スーパーフィシャルバックライン(SBL)
・外側線:ラテラルライン(LL)
・ラセン線:スパイラルライン(SPL)
・機能線:ファンクショナルライン(FL)+バック(BFL),フロント(FFL),同側(IFL)
・深前線:ディープフロントライン(DFL)
・浅前腕線:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)
・深前腕線:ディープフロントアームライン(DFAL)
・浅後腕線:スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)
・深後腕線:ディープバックアームライン(DBAL)
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