目的
腹腔前面の膜組織の滑走
臨床的意義
腹膜前壁を構成する腹筋群と腹膜との間、腹膜と各臓器との間の滑走を促し、筋活動、神経情報伝達が改善し、体幹部の安定性向上に貢献する。間接的に脊柱の可動性向上にも関与する。
方法
- 患者は仰臥位(膝立位)
- みぞおち、臍上、臍下の3カ所を相手の呼気に合わせて順番に押す。
- 抵抗感と相手の痛みを確認しながら、腹膜と各臓器に適当な押圧刺激を加える。
指標
片脚立位、SLR、脊椎の可動域、腹部の張り感、左右からの乱刺激
私的見解
腹膜・筋膜・筋・内臓系の滑走を促すことが目的であるが、神経作用も見られた。
交感神経から副交感神経優位に変換させやすいのかもしれない。。。
また、大腰筋などの深層筋リリースを行う前に行うことで触診しやすくなります。
膜組織として
体幹の状態としてはインナーマッスルが出力が入りやすくなる印象。よって腹腔内圧の調整が自己にて行いやすくなったため、片脚立位などのバランス能力の向上を見込める。
内臓・神経として
内臓系にアプローチしてしまうため不快感を与えてしまえば、交感神経優位となり、全身の筋緊張が亢進が見られ、逆効果になりやすい。
またリラックスさせすぎてしまうと副交感神経優位となり、施術直後は筋出力が入りにくくなる。
体幹がグラグラするような不安定感が見られるが出力訓練することですぐに出力が上がり、施術前より出力向上が見られる印象。